名勝「錦帯橋」のある山口県岩国市の専徳寺。
本堂の中へ入った瞬間、四季折々の花丸天井と、外陣正面の襖絵に広がる昔の岩国の風景が、お参りする人を包み込むように迎え入れてくれます。
外陣正面の襖絵は「専徳寺の周辺にある景色、文化、伝承、歴史、風土―そういったものをすべて入れ込んだものにしてほしい」というご希望に沿って、新調いたしました。
また、「お寺は村人と共に在るあるべき」という檀家総代様の強い思いを尊重し、岩国の風土に溶け込むように、村の中に専徳寺を描いています。
花丸天井は旧来のものを活かして、剥落止め補彩色で修復しています。
内陣壁面や後門壁裏はご住職の願いを込めて、「山越えの飛天図」や「普賢菩薩と像歩図」を描き、特別な宗教空間を演出しています。
専徳寺独自の風景や文化、歴史を大切に思うことができる荘厳空間として蘇った事例です。
ところ:山口県岩国市 専徳寺
宗 派:浄土真宗本願寺派