世紀の画人が描いた大阪の鳥獣たち―新と古が共存する空間。
Concept:

江戸時代後期に活躍した画家に、森狙仙(もりそせん)という丸山応挙の弟子がいました。

狙仙は主に大阪で活躍し、特に彼の描く猿は、師匠の応挙を凌ぐほどと言われています。

パターンを踏襲するだけの狩野派に飽き足らなくなり、長崎で洋画を学び、円山応挙とともに写実画という新境地を確立した狙仙。

 

大阪府吹田市にある紫雲寺の本堂内陣の天井は、その狙仙が千里丘から淀川に生息した82種の野鳥や小動物を、和洋折衷のセンスで描いています。

天井画は損傷著しかったのですが、指定有形文化財として吹田市の教育委員会と協議を重ね、創建時の姿をできるだけ取り戻すことを方針としました。

文化財指定はされていない周囲の荘厳はこの天井画に留意し、小さな御堂ながらも、品格のあるものにいたしました。

Data:

ところ:大阪府吹田市 紫雲寺

宗 派:浄土真宗本願寺派